株式会社スリーシェイクは、クラウド型データ連携ツール「Reckoner(レコナー)」において、AS/400(IBM i)とのデータ連携機能を新たにリリースしたことを発表しました。
製造業や流通業などの基幹システムとして長年利用されているAS/400のデータを、最新のクラウドサービスやデータウェアハウスと容易に統合できるようになります。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中で、オンプレミス環境に眠る「レガシーデータ」の有効活用は、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。
本記事では、今回の機能追加がもたらすメリットや、セキュリティを維持したままデータ活用を推進するための具体的な特長について詳しく解説します。
クラウド型データ連携ツール「Reckoner」とは
「Reckoner」は、データの集約・加工・連携を、マウス操作による直感的なインターフェースで構築できるETLサービスです。
kintoneやSalesforce、奉行クラウド、Google BigQueryといった主要なSaaSに加え、オンプレミス環境のシステムなど100種類以上のサービスとの連携に対応しています。
専門的なエンジニアリングスキルがなくても、ノーコードでデータパイプラインを構築できる点が最大の特徴です。
データの変換やフォーマットの統一もプラットフォーム上で行えるため、データ運用の効率化と高度な分析基盤の構築を同時に実現します。
AS/400(IBM i)連携機能が求められる背景
AS/400(IBM i)は、その極めて高い信頼性と堅牢性から、現在も多くの企業の基幹業務を支え続けています。
しかし、オンプレミスで運用されるこれらのシステムは、クラウドネイティブな分析基盤や最新のSaaSとのデータ共有において、技術的なハードルが高いことが課題でした。
従来、基幹データの取り出しには専用のプログラム開発や、CSVファイルを介した手動の連携作業が必要とされるケースが少なくありませんでした。
今回リリースされた新機能により、既存の基幹システムを改修することなく、最新のBIツールやDWHへシームレスにデータを転送することが可能となります。
ReckonerによるAS/400連携の3つの主な特長
今回の機能追加により、製造・流通業界の企業は、自社の重要な資産であるデータを安全かつ柔軟に活用できるようになります。
1. 既存データ基盤とのシームレスな統合
AS/400から抽出したデータを、そのままクラウド上のデータウェアハウスやBIツールへと自動で橋渡しできます。
単なるデータ転送にとどまらず、Reckoner上でデータのクレンジングやマッピング、フォーマット変換を統合的に実行できます。
これにより、連携前後の個別処理や手作業によるミスを大幅に削減し、データ活用までのタイムラグを最小限に抑えることができます。
2. ノーコードとコード拡張の柔軟な両立
基本的なデータ連携の構築は、ブロックをつなぐような直感的な操作だけで完結します。
現場主導でデータの流れを設計できるため、IT部門への過度な依存を減らし、ビジネスの変化に迅速に対応可能です。
一方で、より複雑なビジネスロジックや独自処理が必要な場合には、PythonやJavaScriptを用いたコード実行機能を組み合わせることができます。
# Pythonを用いたカスタムデータ処理の例
def transform_data(record):
# 特定のフィールドに独自の計算ロジックを適用
record['total_price'] = record['unit_price'] * record['quantity']
return record
3. セキュリティを重視したオンプレエージェント構成
企業の重要な基幹データを扱う上で、最も懸念されるのがネットワークセキュリティです。
Reckonerは、アウトバウンド通信のみで構成可能な「オンプレエージェント」方式を採用しています。
外部からの直接的な接続を許可する必要がないため、既存のセキュリティポリシーを維持したまま、安全にクラウド連携を開始できます。
複雑なネットワーク構成の変更や、ファイアウォールの特別な設定変更を必要としない点は、システム運用担当者にとって大きなメリットです。
従来手法とReckonerによる連携の比較
AS/400とのデータ連携において、従来の手法とReckonerを利用した場合の違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | 従来の手法(手動・個別開発) | Reckonerによる連携 |
|---|---|---|
| 構築スピード | 開発に数週間〜数ヶ月を要する | 数クリックの操作で即座に開始 |
| セキュリティ設定 | VPN構築やポート開放が必要な場合がある | アウトバウンド通信のみで安全に導入 |
| メンテナンス負荷 | 属人化しやすく、仕様変更に弱い | 視覚的な管理画面で容易に修正可能 |
| 柔軟性 | プログラムの修正が必要 | ノーコード操作とコード拡張を併用可能 |
まとめ
スリーシェイクが提供する「Reckoner」のAS/400(IBM i)連携機能は、レガシーシステムの近代化を目指す企業にとって強力な解決策となります。
基幹システムに蓄積された貴重なデータを、既存のセキュリティ環境を損なうことなく、最新のクラウドテクノロジーへと解き放つことができます。
ノーコードによる操作性と、エージェント方式による導入のしやすさは、企業のDX推進を強力に後押しするでしょう。
オンプレミスとクラウドの境界をなくし、データドリブンな経営を実現するために、Reckonerの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
